ニンテンドーDSいただきストリートDS
今度はドラクエとマリオ、そして初のネット対戦
『いたストポータブル』から半年経過しないうちに発表になり、前作から約13ヶ月目での新作リリース。名前どおりニンテンドーDSにプラットフォームを移し、『DRAGON QUEST』と『SUPER MARIO』の競演作となった『いたストDS』。
基本コンセプトは『いたストSP』『いたストポータブル』と同じく「既存ゲームの世界観で作る、いたスト」。スーパーファミコン版以来約13年ぶりの任天堂ハードととなった今作は、「任天堂」x「スクウェア・エニックス」という会社の枠を超えた競演作品となった。
『いただきストリートDS』の特徴
今作では、シリーズ初のネット対戦 ※(ニンテンドーWi-Fiコネクション)が実装された。対戦にはフレンドコードの交換が必要となり、いわゆるランダム対戦には対応していない。ワイヤレス通信とWi-Fi対戦中には、タッチスクリーンを使ったチャットでコミュニケーションを取る事が出来る。
※ 任天堂のDS/Wii用「ニンテンドーWi-Fiコネクション」終了に伴い、2014年5月30日23時でネット対戦は出来なくなる。本体を持ち寄って遊ぶワイヤレス通信対戦は今までどおりプレイが可能。
任天堂 / サポート情報 お客様へのお知らせ
さらに今作ではプレイヤーコマに対戦キャラクターではなく、多数のアイテムで着せ替え可能なアバターを用いるシステム※に変更。そしてこのシステムも一部関係し、『いたスト』シリーズで長らく続いた「コントローラひとつ(本体1台)でも複数人プレイ可能」が今作では不可能となった。
※ 参考リンクいただきストリートDS公式サイト / きせかえスロット(組み合わせが揃うと壁紙が貰えます)
これはシステムの関係でゲームスタート時に使用アバター(セーブスロットは3個)を選択する方式になったためで、同じ携帯版である『いたストポータブル』で採用された「本体使い回しによる複数プレイ」が見送られた。そのかわり『いたストポータブル』では実装されなかったシェアリング(相手がソフトを持っていなくても対戦可能な、ダウンロードプレイ)が、マップ等の選択制限付きではあるが実装されている。
ニンテンドーDSの特徴である「タッチスクリーン」に関しては、一部カジノゲームで併用操作可能なだけで、通信対戦時のチャットを除けば未対応の仕様。チャット機能との兼ね合いもあると思うが「無理にタッチスクリーンを使わない」自然な操作仕様も快適性に一役買っている。
低解像度を補う表示の工夫とゲームの出来栄え
雑誌やwebで見る『いたストDS』のゲーム静止画面は「絵が荒く、お店価格の数値も読み難そう」に見えるが、実際に動いているゲーム画面は表示に工夫がされており、読図性はキープされている。
お店価格は視点からの距離に関わらず読み取りやすように立て札で表示され、キャラクターには動きを持たせる事でジャギー(輪郭線のギザギザ)を目立たせない。フェイスウィンドウのキャラクターの表情に関しては過去作に劣るものの、ゲームを通して「プレイに支障」をきたすような表示上の問題はとくに見当たらない。
収録された全14マップの内訳は、再録扱いが3、アレンジ版が2、新規が9となっている。しかし残念なことに、新規マップはやや面白みに欠けるモノが多い。Wi-Fi対戦の特性を考慮した作りなのかも知れないが、無難なルート構成のマップと、マップの形状変化や移動マスイベントに頼ったマップという両極端な作りが多く、同じ携帯機版でマップの完成度が比較的高かった『いたストポータブル』とは違う方向性を見せている。
DS版の魅力のひとつとして、イベント演出の高速性を含むゲーム全体のテンポの良さがある。次のプレイヤーへの切り替えなど様々な部分で高速化が図られており、特にチャンスカード「No.80 / 建設ラッシュ!」等は高速で次のお店にスキップ可能で、2作前の『いたストSP』とは雲泥の差を見せる。
ビジュアルやサウンド面では近作に劣るものの、『いたスト』シリーズ最速ともいえるテンポの良さには、DS版プレイ後に『いたストポータブル』でさえ部分的に軽いストレスを感じるほど。そしてソフト単体での「ネット対戦」も『いたストDS』の魅力といえる。
※個々の詳細はいただきストリートDS 前作からの変更点 / 詳細へ
『いたストDS』スクリーンショット等を確認できるサイト
- 公式ブログ / 『いただきストリートDS』公式ブログ
- SQUARE ENIX / 『いただきストリートDS』公式サイト
- Touch-DS.jp / Creator's Voice Vol.4 / 宮本茂 x 堀井雄二『いたストDS』対談(閉鎖の模様)
- 4Gamer.net / 男色ディーノのゲイムヒヒョー:其の四「刀を研いでいたら使いたくなった」
- マイナビニュース / 【レビュー】『いただきストリートDS』私情丸出しガチンコレビュー - 小技もあるよ!(2007/07/03)
マイナビニュース(旧マイコミジャーナル)のDS版レビューは『いたストDS』版の紹介のみならず、いたスト全般のテクニックを紹介しながらのプレイ記が非常にわかりやすく面白い。どのシリーズにおいてもプレイの参考になるので、これから『いたスト』をはじめる人にもお勧めの記事。
いたストDS『いただきストリートDS』特有のシステム
特有のシステムをチェック
『いたストDS』には前作からの変更点というより、DS版ならではといえるシステムがある。まずここでは、それらのシステムを紹介。
前作からの変更点は、他シリーズ同様に次ページを参考に。いただきストリートDS 前作からの変更点 / 詳細
Wi-Fi用フレンドコードは、キャラクター(セーブスロット)別
※ 任天堂のDS/Wii用「ニンテンドーWi-Fiコネクション」終了に伴い、2014年5月30日23時でネット対戦は出来なくなる。本体を持ち寄って遊ぶワイヤレス通信対戦は今までどおりプレイが可能。
『いたストDS』はプレイヤー名簿が3キャラ分あり、それぞれのキャラクターにWi-Fi用「ともだちコード(『いたストDS』での名称)」が作られる。
これにより、以下のような様々なプレイ環境が構築できる。
- 複数の人間で「ニンテンドーDS本体1台+『いたストDS』1本」を使う場合
- 対戦相手との人間関係(間柄)によって使用キャラクターを使い分ける場合
- オフラインプレイ専用キャラクターを用意したい場合
ニンテンドーDS本体に登録されたユーザーネームと『いたストDS』のキャラクターに付ける名前はまったくの別物で、Wi-Fi対戦時にDS本体のユーザーネームを書き換える必要はない。
接続設定・Q&A 等ニンテンドーWi-Fiコネクション
きせかえショップの品揃え
ショップに並ぶアイテムの組み合わせには、何らかの計算式(キャラクター名やDS本体とソフトのID等の組み合わせ?)が使われており、それにプラスしてツアーモードの進行具合によって一度に並ぶ品数が増える。
ショップに並ぶアイテムは初期状態で各パーツ3種類(3列)ずつ。その後ツアーモードクリア状況に応じて4列目、5列目、6列目と増えていくが、それぞれグループ別に管理されており「追加分に追いやられて初期のアイテムが並ばなくなる」事はない。
そして、その品揃えは日替わりメニュー。つまり、あるアイテムを買い逃した場合、そのアイテムが再び並ぶ日を待つことになる。アイテムの出現確率はモノによって異なり、よく並ぶアイテム(ももんじゃキャップなど)もあれば、なかなかお目にかかれないアイテム(ダンディスーツ、プリティメイド服など)もある。
推奨は出来ないが、DS本体の時計を戻す(または、進める)ことによって再び同じアイテムを登場させることは可能。ただし、これによりセーブデータに異常が発生する危険性がゼロではない事に注意が必要。
また、アイテムを名簿の他のキャラクターに移すことは出来ない。ただし手間は掛かるが、Wi-Fiプレイ時に「アイテム交換」を活用し通信相手に一時的にアイテムを預かってもらい、別キャラクターで再接続(別途、ともだちコードの交換が必要)してアイテムを受け取ることは可能と思われる。
※なおアイテム出現に関して、購入済みのアイテムが加味されている可能性も考えられる。仮にその場合、特に欲しくはないアイテムでも購入することによって新たなラインナップが加わる(または、出現しやすくなる等)ことになるわけだが・・・確証はない。
会員カードのプレイ時間
「会員カード」に表示されるプレイ時間とは「名簿でキャラクターを選んでから、セーブするまでの時間」となる。つまり、試合時間だけでなく、きせかえでコーディネートを楽しむ時間などもカウントされるということ。
単純にプレイ時間を試合数で割って「1試合平均何分掛かる」といった計算には使えない。セーブしなかった分はカウントされないので、純粋な起動(プレイ)時間とも異なる。DS本体の蓋を閉じた「レジューム」状態では、カウントはストップされる。
※「会員カード」とはプレイヤーキャラクター登録(名簿作成)時に作られるもので、ツアーモードの進行状況などを閲覧できるもの。Wi-Fi対戦時にも交換され、挨拶文などのコメントを書き込める名刺のような存在。ただし、受け取った会員カードに此方からメモ書き(対戦時の感想や次回の待ち合わせ等の備考)は出来ない模様。